運を味方につけるということ
- 運とか縁というもの
- できるのは、確実性を高めることだけ
- 運を引き込むための具体策
以上のような視点でいくと、具体的にできる事というのは個人によって大きく異なる。ここでは自分自身の経験から有用だと思われるものを例として示す。ひとつの参考にしてほしい。
- 説明会やインターン・OB訪問などの接触はできる限りやっておく
学内説明会・合同説明会であった人が面接官だった、ということはけっこうな割合である。説明会参加の有無よりも面接内容のほうがもちろん大事であるが、結局判断は人であるので、過去に会って少しでも熱意が伝わっているというのはとても強い。これは縁をつくる努力のひとつであるといえるだろう。インターンは人事部長が見ていたりなどするので、準備不足で参加するにはそれなりの覚悟がいるが、強い志望をもっているのであればぜひ参加したほうがいいだろう。 - 面接時間はできるだけ午前中の早い時間か終わりに近い時間を選ぶ
優秀であれば誰でも通るだろうが、やはり面接官も同じ人間である。昼時というのは眠くなったり集中力がなくなる時間だ。自分もある面接官をした経験があるのでわかるが、何十人も面接するというのは相当精神的に疲れる。またそもそも中盤というのは印象に残りづらい。できるのであれば、最初か終わりを選びたい。 - 本命の面接当日には、まず志望度の低い企業の面接か模擬面接を
スポーツもそうであるが、その日はじめのプレーというのは緊張するものである。声の調子や思考の整理もかねて、キャリアセンターの模擬面接でもいいので本命前にやっておきたい。 - 勝負ネクタイを決める
説明会やOB訪問用とは別に、本命面接用のネクタイをもとう。気持ちがピリッとひきしまる。気持ちは大切だ。 - 面接前日には必ず靴をみがく
これも気持ちがピリッとひきしまる。靴は実際ネクタイ以上に大切な要素だと思う。 - 気持ちが前向きになる音楽を面接前に聞く
電車を降りて会社に向かうまでの道のりは、決まって同じ音楽を聴いていた。やれる限り準備したら最後は自分をいかに伝えられるかだ。気分を高め、面接に挑もう。 - 就活の不満はためずに友人と飲んで吐き出す
これは非常に大切だ。終わったことにくよくよしていても仕方がない。思いっきり吐き出して、次に進もう。溜め込むのは非常によくない。 - 真摯になる
本当に入りたい、一緒に働きたいという気持ちに素直になること。とにかく自分のしてきたあらゆる努力を信じて、本気で、素直にがんばること。これは経験上非常に大切だ。面接が終わったからといって気を緩めてはいけない。閉めた扉に礼をするぐらいの気持ちにならなければ、それは本気ではない。実はこれが一番大切な気がしてならない。 - しかし、運を落ちた理由にしてはいけない
最後にどこまでがんばっても自分の努力の範囲外で落ちてしまうことはある。しかしそこで運のせいにしてはいけない。できる限りを尽くしたか、そこの納得が大切である。運を理由にしても自分にとって何の成長にもつながらないし、落ち込むだけだ。
就活において最後に壁となるのがこれであろう。面接官との相性、グループワークでのメンバーとの相性、不測の事態による遅刻など運によるとしか思えない不合格は、むしろその事実よりも精神的なダメージのほうが大きい。「これだけやって、どうすればよかったというのか。」誰しも一度はこんなことを考えたことがあると思う。運なんて存在しないという人もいるかもしれないが、2年に渡って就職活動をした友人が1年目にESや面接で落ちた企業に2年目は受かったり、またその逆もあったりという事実を見ると、運や縁というのはまぎれもない大切な要素であると思わざるを得ない。またスポーツなどと同じようにそのときの精神的なコンディションというのも大きく面接内容にかかわってくる。これらの要素をいかにしてコントロールするべきだろうか。
まず認識しなくてはいけないのは、100パーセントなど存在しないということ。できるのは受かる可能性をできる限り高めることだけ。全く大学受験と同じである。ただ受験と違うのは、この不確実性の範囲が相当に広いことだ。具体的に言うと予想外の質問や圧迫気味の面接でうまく答えられるかなどは、個人のコンディション(精神状態)に相当影響される。これは経験上強くそう思う。面接官との相性は全く自分でコントロールできないが、特に最終に近い雑談形式の面接などおいてこのコンディションは何よりも非常に重要なものだ。ここまで考えると、就活とはむしろ『不確実性の中でいかに自分のベストの結果を出すことができるか』というひとつの試練であるような気すらする。社会に出ればより一層の不確実性(何が正しいのか・新しい相手にどう自分を売り込むか)の中で生きなければいけないわけで、そのための訓練・試験ではないかと。運とはかくも大切で難しいものである。