やりたいことはできない
- 志望理由に基づいて配属は決定されない
このあたりまえのことを理解すると、仕事選び・会社選びの本質が見えてくる。今あなたが「やりたい」と言っていることは、本当にずっと目指していた目標だろうか。おそらく普通に就活をはじめた多くの人はなかなか自信をもって頷けないだろう。海外営業コースやスペシャリスト、一般職採用などであればそれほど問題にならないが、総合職志望でやりたいことばかり意識しすぎると就活は失敗する。つまり無理矢理やりたいことをつくって業種をしぼる必要はないということ。面接で志望理由を聞くのは「あなたという人間」を見るための手段であって、どこに配属しようかを考えるためではない。やりたいことを元に会社を探すのはやめよう。
- どんな環境で働きたいかを考える
やりたいことがない、そんな本音を持つ人も多い。だからこそ「可能性のある」企業を選ぼう。「やりたいこと」というのはこれから探していいものだし、またこれからの人生で大きく変わっていくものだ。富士フィルムが化粧品事業に手を出したりしたように、事業ドメインというのは時代の変化に基づき大きく変わっていく。世界規模で起こる変化の中で、生き残る力のある企業は何か。そこを知る上で大切なのが経営理念であり、組織風土としての「人」である。特に日本においては、企業風土というものはいい意味でも悪い意味でもなかなか変わらない。自分の「やりたいこと」の可能性を探し続けられる環境を探すという気持ちが大切だ。
- 目標や夢をもつことは大切
やりたいことはなくても、どんな大人になりたいかというイメージをしてみてほしい。社会に対する大きな影響力を駆使したいのか、小さくても自分の作ったものが世に出るのがうれしいのか。そのイメージを明確化することは、社風や業種を選ぶ上で大きな指標となる。その漠然としたイメージに向かって挑める企業はどこかを探し、面接では目標を語ろう。やりたいことがあったとしても、すぐ関われる可能性は低い。だからこそ大きな夢を持って語ろう。そしてその夢のためにその会社がどれだけふさわしい環境であるのか、その視点から志望動機を伝えれば説得力のあるものになる。